9月にケアンズからオーストラリア大陸最北端のケープヨークへの15日間トリップに行ってきました。そのトリップの様子を訪れた場所の詳細とともに紹介します。日本語でのケープヨークの情報はなかなか少ないので、この記事を読んで頂いた皆さんがケープヨークトリップを計画する上で役立つような情報をたくさん載せていければと思います。
「その③最北端ケープヨーク周辺の探索」の記事はこちら。
「その②オールドテレグラフトラックへ」の記事はこちら。
「その①ケアンズからチリビーチまで」の記事はこちら。
パンサンドベイからケアンズまでの3泊4日プラン
トリップ11日目、パンサンドベイの出発前日に12日目からのプランを立てました。まずは地図を広げてにらめっこ。
予定では、15日目にケアンズの自宅に着きたいので、ここパンサンドベイから3泊4日で行くことになります。そしてケアンズまでの距離は約1000kmなので、1日の移動は250-300kmくらいになります。
あとは、ローラ(Laura)までは未舗装道路なので、その分移動に時間がかかるだろうというのと、行きで泊まったキャンプ地とはまた違うところで泊まってみたいというのも考慮して、3泊するキャンプ地の候補を決めました。
トリップ12日目、パンサンドベイからモートンテレグラフステーション(Moreton Telegraph Station)へ
トリップ12日目の朝、パンサンドベイを出発し、南下開始です。
バマガロードのバイパスルートを通り、途中ランチ休憩を挟んで、午後3時にこの日のキャンプ地に決めたモートンテレグラフステーション(Moreton Telegraph Station)に着きました。
モートンテレグラフステーション(Moreton Telegraph Station)
この日はモートンテレグラフステーションまでの約290kmの移動です。
ここは行きの時にトイレ休憩のため少し立ち寄ったところで、その時に良い雰囲気だなと思っていました。予約なしの飛び込みで行きましたが、問題なく泊まれましたね。キャンプグラウンドであればよほどのことがない限り、予約をしないでも行けるみたいです。
キャンプグラウンドには電源ありサイトと電源なしサイトがあり、電源なしサイトでは1泊大人$10、子供(4〜14歳)$5だったので、私たち(大人2人、子供2人)は1泊$30でした。
キャビンテントもあり、こちらだと予約は必要になりそうですね。
キャンプグラウンドはフリーサイトになっていて、自由に場所を陣取って良いようになっています。私たちが行った時もそんなに混んでおらず、結構広々と使えました。
マンゴーの木が点在していて、牛たちが自由に敷地内を歩き回っていました。そして、ここがとても良かった点は芝生がすごく青々と生えていたことです。こまめに各所にスプリンクラーを置いて水を撒いていて、乾季の後半の9月でも芝生が綺麗に広がっていました。
その影響なのかここはすごい涼しく感じて、とても心地よい風が吹き、大変過ごしやすい場所でした。
あともう一つ見逃せなかった点は、キャンプグラウンドをこまめに四駆バギーで巡回しているスタッフの方がいたことです。何でそんなに走り回ってるんだろう?と思ってよく見ていると、牛のう○ちを回収してくれていました。これも素晴らしいサービスですね。
トリップの後に家族みんなでどのキャンプサイトが一番良かったかを話したところ、全員がここを選んでましたよ。
マンゴーの大きな木があってある程度の日陰はあり、でも空は大きくひらけていて夜は満天の星が見られました。今回のトリップで一番の星空だったと思います。
敷地の横を流れるウェンロックリバー沿いを行く全長3kmのウォーキングトラックがあり、その途中にはバラホール(Barra Hole)という良い釣りポイントがあるのをチェックインの時に教えてもらいました。
なので、翌日朝一で息子と二人で散歩がてらそのバラホールまで行ってみました。
当たりもなく釣れる気配はまったくありませんでしたが、早起きして息子と二人の楽しい時間が過ごせました。
キャンプサイトに戻ってみんな起きたら朝ご飯、そして荷物をまとめて9時には出発しました。
トリップ13日目、モートンテレグラフステーションからマスグレーブロードハウス(Musgrave Roadhouse)まで
トリップ13日目、この日もペニンシュラディベロップメンタルロード(Peninsula Developmental Road)をひたすら南下します。
約190km走ってちょうどお昼頃、トリップ2日目にキャンプをしたコーエン(Coen)のフリーキャンプグラウンドに寄ってランチ休憩をしました。無料で泊まれる川沿いのキャンプ場で、ここはほんとに良い雰囲気でみんなのお気に入りになりました。
お昼休憩後さらに108km走り、この日のキャンプ地に決めていたマスグレーブロードハウス(Musgrave Roadhouse)に到着しました。
マスグレーブロードハウス(Musgrave Roadhouse)
マスグレーブロードハウスはグーグルマップで見るとガソリンスタンドと出てきますが、ガソリンスタンドだけでなく、売店やカフェで食事を取ることもできるし、キャビン、キャンプグラウンドの宿泊施設もあるのでもちろん泊まることもできます。
ガソリンスタンドはこちら。給油休憩で立ち寄る人もたくさんいます。
木陰にはたくさんの牛が休んでいました。あとワラビーも敷地内にたくさんいましたね。ここへ着いて思ったのが、ここより北ではワラビー/カンガルーはほとんど見なかったことですね。
さて、ここも予約なしで問題なし。ロードハウスの売店で1泊キャンプをしたいと告げ、料金を払い、簡単に敷地内の施設の説明を受けたらキャンプグラウンドに向かいます。
料金はキャンプ1泊大人$12、子供は15歳以下は無料です。なので我が家は$24でした。キャビンもあり、こちらは事前予約をしたほうがよさそうですね。ウェブサイトはこちらです。
キャンプグラウンドはフリーサイトでどこに場所をとっても良し。少し奥の方の木陰の近くにセットアップをしました。すぐ後ろに池があり、ワラビーが周りを走り回っています。
ディーオーディー「スゴイッス」(DOD Sugoissu)
今回の子供たちのイスです。DODのスゴイッス。15日間のロングトリップということで、なるべく荷物をコンパクトにするために用意しました。
こちらもオーストラリアのドリフタ(Drifta)がここオーストラリア現地で取り扱いをしています。
子供たちの好きなイスは?というと、だいたい大人が座っているイスだったりしますよね。お父さんお母さんが座っていない隙にさっと座っていることが多いですが、このスゴイッスは二人ともだいぶ気に入ったみたいで、ちゃんと座ってくれています。組み立てと片付けも自分たちでやってくれるので、手間もかからず楽になりました。
ワニの餌付けショー
チェックインの際に教えてもらったのが、毎日午後5時から敷地内にある池でワニの餌付けをしているということでした。
セットアップをして少しゆっくりした後、5時になり行ってみることにしました。キャンプで滞在していた方達はほとんど見に来ていたと思います。
気づけば、餌付け場所は私たちがセットアップした場所のすぐ裏でしたね。薄くて頼りないフェンスが一応ありましたが、そのフェンス越しに10-15分ほどの餌付けショーを見ていました。
その後はリラックス、ご飯を食べてカードゲームで遊んで、この日も早めに休みました。
トリップ14日目、マスグレーブロードハウスからライオンズデンホテル(Lions Den Hotel)まで
トリップ14日目、残り2日ですね。この日はこのトリップ最後のキャンプ地になるところまで移動しました。
まずは、マスグレーブロードハウスを出発し138km走ってローラ(Laura)に着きました。ここはトリップ初日にキャンプをしたローラリバーがあるところです。
ここではトイレ休憩だけ済ませ、ここからはケアンズから来た道とは違う方向へ向かいました。
地図で見ると、ローラからペニンシュラディベロップメンタルロードを離れ一度北へ向かいます。オールドローラ(Old Laura)のほうへ行き、そこから東に向かいクックタウン(Cooktown)を目指します。
トリップ初日に通ってきたケアンズからローラまではずっと舗装道路でしたが、帰りはローラからクックタウンへのエンデバーバトルキャンプロード(Endeavour Battlecamp Road)という未舗装道路を通って行くことに決めました。
クックタウン(Cooktown)へ
ローラからのエンデバーバトルキャンプロードは未舗装道路でしたが、整備がよくされていて状態の良い道路で、ケープヨークへ向かう道路とは比べものにならないくらい走りやすい道でした。
そしてローラから144km、クックタウンに昼過ぎに着きました。
クックタウンに来たのはちょうど5年ぶりでしたね。今回は、ガソリン補給とランチ休憩だけということで、眺めの良いランチスポットを探してみました。
クックタウンの中心地、海沿いのエスプラネード沿いをずっと走りながら車が停められる良いところがないかなと探していると、エスプラネードの突き当たりのほうに出来たばかりのような感じのとてもきれいな公園がありました。ここに車を停め、簡単にサンドイッチを作り、木陰でランチを食べました。
ランチ後、この日の宿泊先、ケープヨークトリップ14泊目のキャンプグラウンドに決めたライオンズデンホテル(Lions Den Hotel)へ向かいました。
ライオンズデンホテル(Lions Den Hotel)
ライオンズデンホテルは、ちょうど5年前、ファミリーキャンプ10回目でクックタウンへの1週間トリップの時に訪れてランチをした以来でした。
クックタウンからほんの20分、午後3時前に到着しました。ここはケープヨークトリップを計画する上で必ず寄りたい場所のリストに入るであろう有名なスポットですね。これからケープヨークへ向かう人やケープヨークから帰ってきた人が多く集まります。
車を見ればどちらかは一目瞭然。
正面の入り口は何も変わっていませんでしたね。ライオンが待ち受けてくれています。
まずはバーカウンターへ行き、1泊キャンプをしたいことを告げ、料金を支払います。
その後、ホテルの右脇にあるゲートを通ってキャンプグラウンドへ入っていきます。
ここは電源ありサイトと、電源なしサイトは日陰の多いブッシュエリアと川沿いのエリアの2カ所、サファリテント、キャビンと色々な宿泊パターンが選べます。
電源なしサイトであれば、ここもまた好きな場所を選んで良いので、私たちは日陰のあるブッシュサイトへ行きました。
ある程度の人はすでにいましたがまだ場所を選べるくらいの空きはあったので、良い場所を確保出来ました。
しかし、私たちが設営を終えしばらくした頃、5時にはキャンプグラウンドはほぼ満杯になっていましたね。スクールホリデー真っ只中の金曜日だったのもあって、なかなかの混雑ぶりでした。
さて、15日間トリップの最後の夜、夕食はライオンズデンホテルで食べることにしました。まずはビール、子供たちはジュース。
そして、ステーキサンドウィッチやウェッジなど頼み、金曜夜のライブバンドを聴きながらゆっくりと食事を楽しみました。ここは絶対に寄りたい場所ですね。トリップを計画する際にはぜひ予定に入れてみてください。
食事を終えたらキャンプグラウンドへ戻り、この日も早めに休みました。
トリップ15日目、ライオンズデンホテルからケアンズの自宅へ
ついにトリップ15日目です。ケアンズの自宅へ帰る日ですね。でもまだ色々と寄り道をしてから帰りましたよ。
まずは、ライオンズデンホテルをチェックアウトし、ブルームフィールドロード(Bloomfield Road)を南へ走っていきます。
そして最初に立ち寄ったのはウジャルウジャルフォールズ(Wujal Wujal Falls)でした。
ウジャルウジャルフォールズ(Wujal Wujal Falls)
ウジャルウジャルという小さなアボリジナルコミュニティーの田舎町にあるウジャルウジャルフォールズは、5年前に訪れた以来の2度目の訪問になります。
駐車スペースに車を置いて、川沿いのウォーキングトラックを歩くこと数百メートル、10分ほどで滝が見れるところに着きます。
短くて易しいコースなので小さな子供と一緒でも行くことができますね。
途中から道というより岩場になりますが、気をつけながらさらに進んで滝の近くまで行くこともできます。すごくきれいな川なので泳ぎたくなるかもしれませんが、ここはクロコダイルがいる可能性があるので水に入るのは止めときましょう。
確か、ウォーキングトラックの最初のところに注意書きの紙が貼ってありましたね。「最近クロコダイルが目撃されているので気をつけてください。」と。なので、あまり水辺に近づかない方が良さそうです。
ブルームフィールドトラック(Bloomfield Track)
ウジャルウジャルの小さな町で滝を見た後は、ケープトリビュレーション・ブルームフィールド・ロードでケープトリビュレーションへ向かいます。この道はブルームフィールドトラック(Bloomfield Track)というオフロードトラックになります。
全長約30kmのこのオフロードトラックは、ウジャルウジャルの町からケープトリビュレーションまでの熱帯雨林の中を通り、ところどころで美しい海岸線も見ることができる、クイーンズランド州の中でも最も美しい4WDトラックの一つだと言われています。
かなりの急勾配の坂が2カ所と、小さな川を渡るところがいくつかあり、ここを通るには四駆が必要になります。
その時の天候、路面状況によりますが、標準の4WD車であれば問題なく行けると思います。急勾配の坂の箇所は舗装されていますし、川の水量も私たちが通った時(9月)で膝より深い水深のところはありませんでした。いくつかの川は水が流れておらず乾ききってましたよ。
もちろん、雨季の時期やまとまった雨が降った直後などは通行止めになることもあるので、必要であればチェックをしてから行くようにしましょう。道路状況の確認はこちらからできます。
ウジャルウジャルを出てブルームフィールドトラックをゆっくり走りながら約1時間半、ケープトリビュレーションに着きました。
ケープトリビュレーション(Cape Tribulation)
ちょうどお昼に着いたので、駐車場に車を停めてランチタイム。その後ビーチのほうへ軽く散歩に行きました。
ケープトリビュレーションは「Where Rainforest meets the Reef(2つの世界遺産、熱帯雨林とグレートバリアリーフが出逢う場所)」なんて言われていますが、その通りですね。熱帯雨林の中を4WDで走り抜け、ビーチへの駐車場からボードウォークを歩くと現れてくるのがこの景色です。ここは何度か来たことがありますが、その度に感動してしまいます。
ケアンズから日帰りで来ることのできるケープトリビュレーションは、おすすめ観光スポットの一つに間違いなく入りますね。
ケープヨークトリップを計画する上でも多くの人が考える人気のルートに入ると思います。ケアンズからスタートしてケープトリビュレーションに向かい、ブルームフィールドトラックを通って、ウジャルウジャルフォールズを見に行き、そしてライオンズデンホテルへ、という感じですね。
グレートバリアリーフドライブ(Great Barrier Reef Drive)
ケープトリビュレーションからケアンズへ向かいますが、この道はグレートバリアリーフドライブ(Great Barrier Reef Drive)と呼ばれていて、オーストラリアの中でも最も美しいドライブルートの一つに数えられています。
ケープトリビュレーション、デインツリーの熱帯雨林の中を走り抜け、ポートダグラスに着くと、そこから先は海を見渡せる海岸線沿いを走ります。
途中にあるレックスルックアウト(Rex Lookout)の展望スポットで絶景を眺めた後、エリスビーチ(Ellis Beach)のすぐ手前で一旦停まりました。
パームコーブの沖合にあるダブルアイランドが見えたらもうすぐです。ここから自宅まで15分。
熱帯雨林の緑とグレートバリアリーフの青い海が広がるこの景色の場所まで戻ってくると、アウトバックの赤土まみれになった車が妙に浮いて見えました。ちょっと前まではみんな同じような赤土まみれの車ばっかりだったんですけどね。。
トリップ15日目、午後3時半に無事帰宅
そして午後3時半に帰宅し、15日間のケープヨークトリップを無事に終えることができました。さすがにみんな疲れの色は隠せませんでしたね。
しかし、5年前にこの車を購入した時に目標に掲げたケープヨークトリップ。半年以上前から計画をし始め、道中色々と予定は変わりつつも無事にトリップから帰ってきて、達成感でいっぱいでした。間違いなく今までのベストトリップになりました。
まとめ
全4回にわたってケープヨーク15日間トリップの様子を、訪れた場所の詳細とともに紹介しました。オーストラリア大陸最北端のケープヨークに関する日本語での情報はなかなか少ないので、できる限り詳しく情報を残して、この記事を読んでくださった皆さんがいつかケープヨークトリップを計画する際に役立てば幸いです。
トリップの初日ケアンズからスタートして、日記のように訪れた場所を順々に紹介していきましたが、特にキャンプをした場所に関しては、行き帰り関係なく計画をする際に考えられるので、移動距離を考えながら良さそうなところを選んでみるのも良いかと思います。
オーストラリア在住でもなかなか訪れる人は少ない特別な場所、オーストラリア大陸最北端のケープヨークへの旅、皆さんもいつかチャレンジしてみてください!