オーストラリアを代表する有名なドライブルートの一つにサバンナウェイ(The Savannah Way)があります。東はクイーンズランド州ケアンズから始まり、西は西オーストラリア州のブルームまで、オーストラリア北部を横断する全長は3700kmにも及びます。
そして、この広大なオーストラリアを旅する方法の一つがロードトリップです。
自家用車やレンタカーで自ら運転し、好きなところに立ち寄り、遊んで、食べて、泊まり、アドベンチャーを続けていくという圧倒的に自由なスタイルの旅です。
今回はクイーンズランド州内のサバンナウェイルート、特に西側を中心として、15のやりたいことを紹介します。こんなチェックリストを作ってロードトリップへ出かけてみませんか?
- トゥルーブルービジターインフォメーションセンター(True Blue Visitor Information Centre)を散策する
- ディエムスルックアウト(Diehms Lookout)で夕日を見届ける
- ベルモア湖(Lake Belmore)で朝日を迎える
- ノーマントンツーリストパーク(Normanton Tourist Park)でひと泳ぎする
- クリス – サバンナキング(Krys – The Savannah King)と記念撮影する
- ガルフランダー(Gulflander)に乗る
- シーシェルビーチ(Seashell Beach)で貝殻探しをする
- バラマンディディスカバリーセンター(Barramundi Discovery Centre)を訪れる
- サンセットタバーン(The Sunset Tavern)で夕日を眺めながら一杯飲む
- レイックハルト滝(Leichhardt Falls)でフリーキャンプをする
- バークタウンボア(The Burketown Bore)と辺りのユニークな景色を鑑賞する
- ソルト・パン(Salt Pans)を走り抜ける
- グレゴリー川(Gregory River)で川遊びをする
- ブージャマラ国立公園(Boodjamulla National Park)を探検する
- モーニンググローリー(Morning Glory)を狙う
- まとめ
トゥルーブルービジターインフォメーションセンター(True Blue Visitor Information Centre)を散策する
まず1つ目はケアンズから西へ530km、クロイドン(Croydon)にあるトゥルーブルービジターインフォメーションセンターという観光案内所です。ケアンズからの所要時間は休憩を入れて7時間半です。
クロイドンは、130年以上前に金が発見されてからゴールドラッシュに湧き、一時期は7千人以上の人口を誇るクイーンズランド州で4番目に大きな町となりましたが、現在は人口わずか258人(2016年国勢調査より)の小さな町です。
この観光案内所の中には、周辺の地図や観光スポット案内のパンフレットがたくさんあり、またここクロイドンの金鉱の町として栄えてきた歴史の分かる写真やディスプレイ、視聴できるシアターがあります。インターネットサービス、フリーWiFiもあります。
建物の奥、裏庭には良く手入れの行き届いた綺麗な庭園があり、様々な遺産やビンテージカーが展示されていたり、彫刻や綺麗な植物も飾られていて、散策をするのに最適な場所です。ここも必ず訪れましょう!
ディエムスルックアウト(Diehms Lookout)で夕日を見届ける
クロイドンの町内中心部からほんの5分ほどです。北へ向かい小高い丘を上がって行くとすぐに見つけることのできるディエムス・ルックアウトという展望スポットでは最高の夕日を見ることができます。
クロイドン町内を広く見渡せ、その先に広がるアウトバックが一望でき、そこに沈んでいく夕日は絶景です。
ベルモア湖(Lake Belmore)で朝日を迎える
ベルモア湖は、クロイドンの町への生活水の供給のために1995年に作られたダム湖です。
ここでは、スイミングやカヤックなどのウォータースポーツ、ボートやフィッシングが人気のアクティビティーであり、地元の人や観光客にとってもアウトバックのど真ん中にあるオアシススポットになっています。
ディエムスルックアウトへの道をそのまま進んでいき、湖畔まで行くとボートランプ、無料で使えるバーベキュー台、ピクニックエリア、プレイグラウンドがあります。
湖の周辺にはたくさんのトレイルがあり、ブッシュウォーキングやマウンテンバイクのほかバードウォッチングにも最適な場所だそうです。
もう1つのおすすめは、湖周辺のオフロードトラックから湖越しに日の出を見ることです。朝日が湖面に輝きながら昇っていく様子は絶景ですよ。
ノーマントンツーリストパーク(Normanton Tourist Park)でひと泳ぎする
ケアンズから690km、カーペンタリア湾に隣接する沿岸の町ノーマントンにあるノーマントンツーリストパークには、クイーンズランド州北西部で最大という25mリゾートプールがあります。
ロードトリップはやはり長距離ドライブが多くなるので、座っている時間が長くなり、身体が疲れやすいです。なので、大きなプールでしっかり泳いで身体を動かしてリフレッシュしたいですね。
クリス – サバンナキング(Krys – The Savannah King)と記念撮影する
ノーマントンのメインストリート沿いに、「サバンナキングのクリス」と名付けられたクロコダイルの像があります。
1957年7月、その当時沢山いたクロコダイルシューターの1人、クリスティーナによってノーマントン域内を流れるノーマン川の下流のほうで捕獲されたクロコダイルは、捕獲したクリスティーナの名からクリスと名付けられました。
全長8.63mのクリスは、捕獲されたクロコダイルの中で世界最大らしいです。
ぜひクリスと一緒に写真撮影をしましょう!
ガルフランダー(Gulflander)に乗る
ノーマントンに発着駅があり、ノーマントンとクロイドンの区間152kmを結ぶ観光列車のガルフランダー鉄道。
2月から12月の期間で、週1回運行されています。水曜にノーマントンを出発しクロイドンへ。翌日木曜にクロイドンからノーマントンへ戻ってきます。
片道所要時間は5時間。途中で停車するポイントが多々あり、乗客は一度降りて橋の上を走る列車の写真が撮れたり、軽食を取る時間があったりと、のんびりとした列車の旅ができそうです。
運行していない日はガルフランダーはノーマントン駅に停まっています。駅構内には小さな博物館や売店があり、列車内にも自由に出入りできて写真が撮れるようになっていますよ。
シーシェルビーチ(Seashell Beach)で貝殻探しをする
ノーマントンからサバンナウェイを少しそれて北のほうへ行き、ノーマン川の河口、カーペンタリア湾の沿岸にカルンバ(Karumba)という町があります。ケアンズから770km、車で10時間のところにある小さな町ですが、ここまではずっと舗装道路になっています。
アウトバック地域内でも、海沿いにあるここカルンバは海風のある心地良い気候です。
海沿いのエスプラネードに車を停めると、すぐ目の前はビーチです。
砂というより貝殻のビーチ。よーく見てみると大小さまざまな形の綺麗な貝殻がそこら中に見つかります。ビーチや海沿いの公園、ボードウォークを散策しながらのんびりとした1日を過ごしてみては?
バラマンディディスカバリーセンター(Barramundi Discovery Centre)を訪れる
カルンバといえばフィッシング!特にバラマンディ(Barramundi)が一押しなのでしょう。
そんな方におすすめ、絶対に外せない場所があります。
カルンバで一際目立つモダンな建物、バラマンディディスカバリーセンターです。
バラマンディのすべてが分かると言っても過言ではないほど、様々なインフォメーション、ディスプレイ、ミニシアターがあります。
バラマンディだけでなく、周辺で見られる生物、鳥やクロコダイルなどの情報も沢山あります。
施設の中心には人工ラグーンがあり、その周りを囲むように建物が立っています。
バラマンディガイドツアーがあり、そこではフィーディングの体験もできるそうです。
入り口を入るとすぐ右手は、インフォメーションセンターになっており、このバラマンディディスカバリーセンターだけでなく、カルンバやその周辺の観光情報が満載です。
ショップ、お土産屋さんがあり、その先にはカフェもあります。外のラグーンを眺めながらケーキ&コーヒータイムも良いですね。
サンセットタバーン(The Sunset Tavern)で夕日を眺めながら一杯飲む
オーストラリアの東側に位置するクイーンズランド州ですが、上にせり出しているヨーク半島の西側に行けばクイーンズランドでも海へ沈んでいく夕日を眺めることができます。そして、ここカルンバはケアンズから1番近いヨーク半島の西側の町。
ビーチ沿いにあるバー&レストランのサンセットタバーンにはビアガーデンがあり、目の前に広がる海に沈んでいく夕日を眺めながらの一杯は格別ですよ。
レイックハルト滝(Leichhardt Falls)でフリーキャンプをする
ノーマントンからさらに西へ向かうと、サバンナウェイも未舗装道に突入します。
次の町、バークタウンまで77kmのところでレイックハルト川を横断するところがあります。
道脇の岩場のところに車を停めて、そこから川沿いに北のほうへ数百メートル歩くと見つけられるのがレイックハルト滝です。
しかし、ここは通年流れている滝ではなく、乾季の間は水が少なくて滝が流れ落ちてないこともあります。川の水は常にありますが、クロコダイルの生息域なので中に入るのは厳禁です。
ここはフリーキャンプが可能な場所で、車で川沿いの好きなところに停めてキャンプができます。トイレ等の設備は何もないので、全てしっかりと準備してからワイルドキャンプをしてみましょう!
バークタウンボア(The Burketown Bore)と辺りのユニークな景色を鑑賞する
バークタウンはケアンズから900km、クイーンズランド州の北西の端の町になります。もうすぐでノーザンテリトリー州との州境にたどり着きます。
ハイウェイから「Welcome to Burketown」の看板が見え、バークタウンの町に入ってすぐ見つけられるのがバークタウンボア(Burketown Bore)です。
ボア(Bore)とは掘り抜き井戸のことで、ここバークタウンにあるボアは1897年にクイーンズランド州政府によって掘られた井戸であり、バークタウンの町へ供給できる水、特に家畜の牛の飲み水を確保するためだったそうです。
しかし、1959年のレポートによるとミネラル過多のこの水は飲み水に適さないと判断され、特に何に使われるでもなく、ミネラル豊富な源泉68度のお湯は自噴し続け、辺り一帯をユニークな景色に作り上げていきました。
ソルト・パン(Salt Pans)を走り抜ける
バークタウンの町の中心部から5分でまたこのような景色です。ここからバークタウン内を流れるアルバート川の下流の方、ボートランプがあるところへ行けます。
ドライブすること10分、まだ一応道を走っています。
ここはソルトパン(Salt Pans)といって、乾季の間は海水がすべて地面に吸収され、オーストラリア最大の塩田が現れる場所です。白く見えるのは塩ですね。
しかし、雨季にはオーストラリア最大の湿地帯になるところです。町の大部分が海抜数メートルしかなく、しかも入り組んだアルバート川沿いにあるから起こるそうです。
乾季の間でしか走れない壮大な風景のソルトパンを駆け抜けてみましょう!
グレゴリー川(Gregory River)で川遊びをする
バークタウンから南へ120km、グレゴリーという町沿いを流れるグレゴリー川がこの地域で人気の川遊びスポットとのこと。バークタウンに滞在している人もここに遊びに来るそうで、フリーキャンプもできるこの川沿いにはたくさんの人で賑わいます。
内陸にあるバークリー台地からの豊富な淡水の湧き泉で始まるグレゴリー川は、通年流れている川で、水は冷たくとても綺麗です。
旅の途中、川遊びでリフレッシュするのに最高の場所ですよ。
ブージャマラ国立公園(Boodjamulla National Park)を探検する
クイーンズランド州で1番美しい国立公園の1つと言われているブージャマラ国立公園(Boodjamulla National Park)は、クイーンズランド州の北西の端、隣のノーザンテリトリー州との州境に接するところにあり、ケアンズから1100km、グレゴリー(Gregory)から西へ100kmです。
ローンヒル(Lawn Hill)地域にあり、以前はローンヒル国立公園(Lawn Hill National Park)として知られていたので、こちらの呼び名のほうがなじみが深いかもしれません。
ローンヒルの南西部にクイーンズランド州とノーザンテリトリー州をまたぐバークリー台地(Barkly Tableland)があり、ここからの豊富な淡水の湧き泉から始まるローンヒル川(Lawn Hill Creek)によって形成されたのがローンヒルゴージ(Lawn Hill Gorge)です。そして、その峡谷沿いにあるのがこの国立公園の唯一のキャンピングエリアのローンヒルゴージ・キャンピングエリア(Lawn Hill Gorge Camping Area)になります。
ここでのおすすめアクティビティはカヌー&水遊びとウォーキングの2つ!
キャンピングエリア沿いに流れるエメラルドグリーンのローンヒル川と、周りには緑豊かな植生が広がり、先のほうには砂岩の切り立った崖も見られます。川沿いの歩道にはいくつか階段が設けられており、川へ入りやすいようになっているので思い切って飛び込んでみましょう。
浅いところで小さな子供と遊びたい時には、少し下流のほうへ行くと良いですよ。浅く、流れも緩やかでのんびりと川遊びするのに最適な場所もあります。
または、カヌーを借りて上流の方へ向かってみましょう。インダリ滝のある大きなスイミングスポットに着いたら、ここにカヌーを停めてひと泳ぎできます。
所々にある浅い岩場で休みながら、エメラルドグリーンの水とインダリ滝、そして砂岩の崖に囲まれたこの風景を見渡すと、ここがクイーンズランド州で最も美しい国立公園の1つだと言われる所以が分かるかもしれません。
崖の上に昇ってインダリ滝とその周辺を見渡せるルックアウトもあります。ここも欠かせませんね。
ブージャマラ国立公園内には計7つのウォーキングトラックがあります。
小さな子供とでも行ける短く易しいコースから、片道数時間かかる本格的なコースまであり、レベルに合わせて選ぶことができます。
早朝からウォーキングへ行けば、沈みゆく満月を見ることができたり。
朝日を迎えることができたりします。
日中はかなり暑くなるので、木陰のないコースは朝夕の涼しいうちに行くのがおすすめです。
アボリジナル文化に触れられるウォーキングコースもあり、ここでは岸壁に壁画や岩を削った彫刻アートを多数見ることができます。
クイーンズランド州政府のウェブサイトからダウンロードできる「ブージャマラ国立公園ディスカバリーガイド」にはコースの地図をはじめ、様々な情報が詳しく載っているので、これをチェックしてから探検に向かいましょう。
モーニンググローリー(Morning Glory)を狙う
最後は、バークタウンで見られる可能性のある非常に珍しい気象現象の紹介です。
モーニンググローリー(Morning Glory Cloud)という巨大なロール状の雲の帯で、上空1~2km、長さは最大1000kmにも達し、最大時速60km/hの速さで移動するそうです。
世界各地で稀に観測されることがありますが、最も高確率で定期的に観測される世界で唯一無二の場所がバークタウンなのです。
見られる時期は9〜11月。条件として、まだ春先の低い海水温、高くなってくる陸気温、強い海風(バークタウンでは北北東)と高湿度(85%以上)。
これらの好条件が揃った時にモーニンググローリーが現れるそうです。
私がバークタウンを訪れてモーニンググローリーを見ることができたのが2020年10月1日です。
朝6時、日の出20分前から待機し、わずか40分の出来事でした。
まだ薄暗い東の空の地平線沿いに帯状の雲がうっすら見えます。
それが時間が経つとともにだんだん大きくなり、日の出直後に突風が吹き始めた途端、すごい音とともに雲が巻き上がり回転しながらどんどん近づいてきます。
頭上を通り抜け、西の方へ流れていくと、また次の雲が迫ってきます。
いくつかの雲の帯が流れていき、7時前には東の空は雲ひとつない快晴の青空になっていました。
モーニンググローリーは、限られた時期(9月〜11月)に、さらに気象条件(強い海風と高湿度)が揃わないと見ることができない稀に起こる気象現象なので、なかなか見ることは難しいかもしれません。
しかし、このクイーンズランド州北西部にある小さな町のバークタウンが、世界中で唯一の高確率で定期的に見られる場所である限り、これを狙って訪れるのも良いアドベンチャーになりそうですね。
まとめ
クイーンズランド州内のサバンナウェイロードトリップでやりたい15のことを紹介しました。州の西側を中心に選んでみましたが、これ以外にも見所はたくさんありますね。このリストと共にロードトリップへ出かけ、さらに新たな発見に出くわすようなアドベンチャーを楽しんでほしいと思います。