オーストラリアで快適キャンプ!おすすめテントの種類と失敗しない選び方(現地在住者が解説)

Camp Gear

アウトドア大国オーストラリアでキャンプは定番のアクティビティです。広大な大自然で快適なキャンプを楽しむためには、テント選びが最も重要です。テントは安心と快適さを提供してくれるとても大事なキャンプ用品の一つです。
この記事では、オーストラリアで手に入るテントの種類と、現地在住者である筆者が実際に使ってわかった失敗しない選び方を徹底解説します。あなたのキャンプスタイルにぴったりのテントを見つけましょう。

  1. 失敗しない!オーストラリアでのテントサイズ選びの基準とコツ
    1. メーカー表記の「何人用」は鵜呑みにしない
    2. 【結論】失敗しないサイズ選びの黄金比
  2. 【種類別比較】オーストラリアで人気のテントとメリット・デメリット
    1. ドームテント(Dome Tent):初心者にも優しい定番の選択肢
    2. インスタントアップテント(Instant Up Tent):設営・撤収のスピード重視派におすすめ
    3. オージーテント 30秒テント(Oztent 30-Second Tent):高品質キャンバス素材と耐久性
    4. ガゼボテント(Gazebo Tent):シェルターと一体化、多目的な利用方法
    5. ポップアップテント(Pop Up Tent):ビーチやピクニックにも使える手軽さ
    6. ストレッチャーテント(Stretcher Tent):コット一体型で地面からの冷えを遮断
    7. スワッグ(Swag):オーストラリアならではのソロ/カップルキャンプ向け
    8. ルーフトップテント(Rooftop Tent):四駆オーナーに人気の選択肢
      1. ソフトトップ(Soft Top)ルーフトップテントの特徴
      2. ハードトップ(Hard Top)ルーフトップテントの特徴
    9. ルーフトップテントのメリットと安全性
    10. 私のルーフトップテント体験:Drifta デザートクルーザー
  3. 快適なキャンプのために:テントと合わせて揃えたい必須アイテム
    1. テントの寿命を延ばす!メッシュ生地のグラウンドシートのメリット
  4. まとめ:オーストラリアのキャンプスタイルに合ったテントを選ぼう

失敗しない!オーストラリアでのテントサイズ選びの基準とコツ

オーストラリアでのテント選びで、まず最初に考えるべきなのがテントの最適な大きさ(サイズ)です。現地で快適なキャンプをするために、どのくらいのサイズを選べば良いのでしょうか?

メーカー表記の「何人用」は鵜呑みにしない

オーストラリアのキャンプ用品店Tentworld」などのオンラインストアを見ると、ほとんどのテントの商品名に「何人用」(例:4 person, 6 person, 10 person)という表示があるのが分かります。

これがサイズ選びの目安の一つではありますが、注意が必要です。この「何人用」という数字は、単にテント内に幅60cm程度の寝袋がいくつ並べられるかという基準で決められています。荷物を置くスペースや快適性は考慮されていません。

テント内の寝袋の配置図:4人用テントに寝袋が4つ並べられ、スペースがほとんどない状態を示すイラスト

例えば、上の図のようにサイズが2.4m x 2.2mの「4人用」テントに4人寝た場合、隣の人との距離が近すぎ、とても快適とは言えません。

【結論】失敗しないサイズ選びの黄金比

では、オーストラリアで窮屈すぎずに快適に寝るためには、どのくらいのサイズが良いのでしょうか?筆者の経験から、以下の「何人用」の半分を目安にすることをおすすめします。

  • 4人用テント: 2〜3人での利用が快適
  • 6人用テント: 3〜4人での利用が快適
  • 8人用テント: 4〜5人での利用が快適
  • 10人用テント: 5〜6人での利用が快適

この黄金比で選ぶと、大人と子供の割合や、使用するキャンプマットのサイズ等にもよりますが、テント内で窮屈すぎずに快適に寝れるサイズになり、さらに荷物が置けるゆとりのスペースも確保できるでしょう。

まずは、この基準を参考に、ご自身のキャンプスタイルに最適なサイズを考えてみましょう。

【種類別比較】オーストラリアで人気のテントとメリット・デメリット

次にオーストラリアで人気のテントの種類についてみていきたいと思います。テントにはさまざまな種類があり、それぞれのスタイルの特徴、長所と短所も含めて紹介します。ここでは私が実際に使ってきたテントも合わせて紹介していきます。

ドームテント(Dome Tent):初心者にも優しい定番の選択肢

  • ✅ 長所: 軽量・コンパクトで持ち運びやすい、安価なモデルが豊富、サイズが豊富、耐風性に優れるドーム形状
  • ❌ 短所: 設営に手間と時間がかかる(ポールの組み立ても必要)、天井が低いモデルが多い

ベーシックなデザインのドームテントの設営例

まず最初はドームテントです。最もベーシックなスタイルで、昔からずっとある定番のテントですね。ポールは主にファイバーグラスの素材でできており、収納時は短くコンパクトにショックコードでバラバラにならないようにまとめられます。設営時はそれらをつなぎ合わせて長い骨組みのポールにし、だいたいはテントをクロスするように2セットのポールをしならせてドーム状の形にします。ポールのしなりがテントをピンと張り上げて、雨風にも強い頑丈な形を作り上げます。

2人用から10人用などさまざまなサイズがあり、2ルームやオーニング付きなども選べ、色も豊富で多種多様な品揃えがあるのがこのドームテントの特徴です。収納時のサイズもコンパクトなものが多く、値段も安価なものから揃っているので、キャンプを始める際の最初のテントとして選ばれるのも多いです。

コールマン5人用ドームテントの全体像とキャンプサイトの様子
コールマン5人用ドームテントの内部写真。エアベッドと荷物スペースの様子

私がキャンプを始めるにあたって最初に購入したテントがこちら、コールマン(Coleman)の5人用ドームテントです。メインルームに、このテントと合わせて購入したダブルサイズのエアベッドを2つ並べて、かつ小物が置けるスペースがあります。この5人用テントでキャンプを始め、数年間このテントを使用していました。

コンパクトに収納された2人用ドームテントの収納バッグ
2人用ドームテントの設営後の外観
2人用ドームテントの内部から見たキャンプサイトの風景

後にこの2人用のドームテントも購入しました。収納時のサイズが56cm x 13cm x 13cmで重さがたった2kgのとてもコンパクトなテントです。値段もとても安く($40くらい)、このタイプのテントは、オーストラリアでは旅行好きなバックパッカー達にとても人気がありますね。とにかく軽量、コンパクトで安価のものが良いというニーズにとても合っているものです。

まとめとして、ドームテントは、収納時とてもコンパクトで軽量、安価なものから揃い、サイズも豊富、ポールはしなりを利用してテントをグッと張り上げ、雨風に強いドーム状の形が作れるのが最大の特徴になります。

インスタントアップテント(Instant Up Tent):設営・撤収のスピード重視派におすすめ

  • ✅ 長所: 設営・撤収が極めて簡単かつ迅速(1分程度)、初心者キャンパーに最適、フレームが頑丈
  • ❌ 短所: 収納サイズが長く重い(約1m超)、ドームテントより高価な傾向がある

インスタントアップテントの設営途中。伸縮ポールを伸ばしてフレームが立ち上がった状態のインナーテント

次に紹介するのはインスタントアップテントです。このタイプのテントは各ブランドから出しており、ブランドによって呼び名が多少異なります。

主な名称としては、コールマン(Coleman)のインスタントアップテント(Instant Up Tent)、オージートレイル(Oztrail)のファストフレームテント(Fast Frame Tent)、そしてブラックウォルフ(Blackwolf)のターボテント(Turbo Tent)などがあります。

インスタントアップテントの設営完了後の外観

インスタントアップテントの最大の特徴は、テントフレームのポールがすでにテントに取り付けられているため、設置する際にポールを組み立てる必要がない点です。テントを広げて地面に置いたら、あとは短くなっている伸縮ポールをロックされるところまで伸ばせば完了。わずか1分でフレームが立ち上がります。

インスタントアップテントにフライシートを被せてクリップで留めている様子

伸縮ポールを伸ばしてメインテントができたら、あとはフライを上から被せて各コーナーをクリップで留めたら出来上がりです。その名の通り、設営時間が短くてものすごく簡単にできてしまうのがこのテントの圧倒的なメリットです。もちろん、片付けも同じくらい早く出来ます。

ただし、ドームテントと比べると、収納時の伸縮ポールの長さは1m強となり、ポールの素材もアルミニウムやスチールが使われるため、ドームテントより重さが出てきてしまいます。そのため、収納バッグの大きさはドームテントと比べると長く重くなってしまいます。

しかし、これらの短所をふまえても、やはり設営と片付けの容易さが圧倒的なメリットになるため、キャンプが初めての方の最初のテントには僕はこのテントをお勧めします。実際にオーストラリアで最もよく売れているテントはこのインスタントアップテントシリーズになります。

筆者が使用していたOztrail 6人用ファストフレームテントの全体写真
Oztrail 6人用ファストフレームテントの収納バッグ

私がコールマンの5人用ドームテントの次に購入したのが、このオージートレイル(Oztrail)の6人用ファストフレームテントです。設営片付けの素早さと簡単さに見とれて惹かれてしまい、買い換えることにしたのです。

オージートレイル ファストフレームテントの内部。ダブルサイズのマットと荷物が置かれた様子
ファストフレームテントが設営された、水辺のキャンプサイトの風景

インナーテントのサイズは3m x 3mで、ダブルサイズのマットを2つ並べて、かつ荷物が置けるスペースが結構あり、4人家族で使うには最適なサイズのテントでした。このファストフレームテントに買い換えて数年使い続けました。

オージーテント 30秒テント(Oztent 30-Second Tent):高品質キャンバス素材と耐久性

  • ✅ 長所: 驚異的な設営スピード(文字通り30秒)、通気性・防水性に優れた高品質キャンバス生地、高い耐久性
  • ❌ 短所: 収納サイズが非常に長く重い(長さ2m、24kg)、ルーフ収納が必須となる、高価格

オーストラリアで人気のOztent 30-Second Tent RVシリーズの設営後の全体像

インスタントアップテントとは構造が少し異なりますが、設営時間の短さと簡単さでオーストラリアでは非常に人気のあるテント、Oztent(オージーテント)の30-Second Tentを紹介します。

オーストラリアブランドであるOztentから出ているRVシリーズテントは、その名の通り30秒でセッティングが出来てしまうという、とてもよく考えられたアイデアから作られたテントです。

Oztent RVシリーズの設営デモンストレーション動画はこちら

さまざまなサイズがあり、一番人気のあるRV-5だと2.6m x 2.6mの大きさで、4人家族にちょうど良いサイズではないかと思います。

通気性、防水性に大変優れたキャンバス生地、耐久性の高いYKKジップ、虫を通さないきめ細かなメッシュウィンドウと、素材も高品質のものだけが使われています。値段は安くないですが、長期間使い続けたいという方にとっては、その耐久性から非常にお勧めできるテントです。

一つ短所としては、収納時のバッグの大きさと重さです。例えばRV-5で長さ2m、重さ24kgとなかなか大きくて重くなります。このサイズだと車内に収納するのは難しく、ルーフの収納システム(ルーフラックやルーフバーなど)に載せなければいけない点に注意が必要です。

ガゼボテント(Gazebo Tent):シェルターと一体化、多目的な利用方法

  • ✅ 長所: ガゼボ(シェルター)と一体化し設営が簡単、日除け/雨除けスペースが同時に確保できる、収納がコンパクト
  • ❌ 短所: 耐水圧が低い(シングルウォール)、大雨にはタープなどの追加対策が必要

次に紹介するのはガゼボテントというタイプです。まずガゼボ(Gazebo)とは、雨除けや日除けのために一時的に設営できる自立型シェルターのことで、サイズは2.4m四方から大きいものだと6m x 3mのものまであります。

ガゼボ(自立型タープ)の設営例。日除けとして使用されている様子。

これはキャンプだけでなく、日帰りピクニック、スポーツイベント、週末マーケットのショップなど、オーストラリアでは多目的に使われているとても人気のあるアイテムです。一番ポピュラーなサイズは3m x 3mのもので、テーブルやイスを置けるちょうど良い日陰のスペースが作れます。

そして、このガゼボのスチール製頑丈なフレームに取り付けられるのがガゼボテントになります。ストラップとベルクロで簡単に設置、固定できるテントで、設営も簡単で時間も短く、収納時のバッグのサイズもとてもコンパクトになります。

私がコールマンのドームテントを使用していた頃に、もう少し日陰のスペースが作りたいということで3m x 3mのガゼボを購入し、ドームテントと併用していた時期がありました。アブが多いキャンプ場で、子供たちが虫を気にせずに遊べるスペースを作ろうということでこのガゼボテントを購入したのがきっかけです。

ガゼボとガゼボテント、ドームテントを連結して使用しているグループキャンプの様子
ガゼボテント内部で子供がお絵かきをしている様子。虫除けスペースとして活用。

そのキャンプでは、ガゼボテントは子供たちのお絵かきスペースとして上手く利用できました。しかし、そこでふと気付きます。ガゼボテントは中のサイズが3m x 2.4mと広く、家族キャンプならガゼボテントとガゼボだけで十分なのでは?

ガゼボテントとガゼボを一体化させたコンパクトなキャンプセットアップ
ガゼボテントと車を連結させたキャンプの様子

ということで、それからガゼボとガゼボテントの組み合わせで行くキャンプが始まりました。車のすぐ後ろにガゼボを立て、ガゼボテントを取り付けるだけ。非常に簡単で、車の荷台の後ろがキッチンになるのでそこもガゼボの下でカバーされ、キッチン、ダイニング、ベッドルームがコンパクトにまとまり、非常に効率的なキャンプセットアップになりました。

雨天時にガゼボテントの上にタープを設置して耐水性を補強している写真

ただし、ガゼボテントの短所は、耐水圧があまり高くないこと、フライがないのでシングルウォールになることです。つまり、雨の日に最適なテントとは言えないかもしれません。そのため、私は雨の日には写真のようにタープをガゼボテントの上に設置して対処していました。

ガゼボベースで簡単にセットアップをしたい人にはこのガゼボテントは非常に良い選択肢の一つになると思います。私もメインのセットアップにはなっていませんが、オプションの一つとしてガゼボとガゼボテントはいまだに持っています。

ポップアップテント(Pop Up Tent):ビーチやピクニックにも使える手軽さ

  • ✅ 長所: 設営が最速(収納バッグから出すだけ)、軽量、ビーチやデイキャンプにも最適、高機能モデルがある
  • ❌ 短所: 収納方法にコツが必要(慣れないと時間がかかる)、収納サイズが大きく丸い(車載場所を選ぶ)

次に紹介するテントも設営がとても簡単、ポップアップテントです。設営に関しては、これ以上に簡単に早くできるテントはないのではないでしょうか。設営は収納バッグから取り出したら空に向けて放るだけ。弾力のあるワイヤーフレームが勝手に広がるのを助けてくれて、あとはペグで固定すればあっという間に出来上がりです。

キャンプ場に設営された青色のポップアップテントの外観

ポップアップテントの設営完了後の外観。周囲に荷物が置かれている様子。

この頃になると、私たちのキャンプスタイルはロードトリップが多くなってきました。1日数百キロ移動し、目的地に着いたら1泊するような旅では、いかにキャンプ地でのテント設営の時間を短くするかが重要になります。

私が購入した上の写真のポップアップテントは4人用になります。4人用は2〜3人で使用するのにちょうど良いサイズで、マットはダブルサイズとシングルサイズが一つずつ入ってぴったりです。ポップアップテントというと簡易テントというイメージかもしれませんが、このアウトドアコネクション(Outdoor Connection)というオーストラリアブランドのモデルはかなりの高機能です。

インナーテント、ワイヤーフレーム、アウターフライが一体になっており、ダブルウォール構造になっています。耐水圧はフライが2000mm、フロアが5000mmと抜群の性能です。収納時は直径115cmの大きさになり、重さは5.8kgと軽量なのも魅力的です。

このテントに私と子供2人の3人が寝て、妻は2人用ドームテントに1人で寝るというスタイルでした。

ポップアップテントはその名の通り、ポップしてアップする簡単な設営が注目されがちですが、片付けももちろん素早くできます。ただし、手順を覚えてたたみ方をマスターしておかないと、これが短所になりかねません。1分でセットアップできても、片付けは手間取って数十分かかってしまうこともあります。

【収納方法を動画でチェック!】

こちらがポップアップテントの片付け方の動画です。コツを掴めば1分で出来ますよ。

→ ポップアップテントの素早い片付け方法(YouTube Short)

コツを掴めばすぐ出来るようになるので、キャンプへ行く前に必ず家で練習してマスターしておきましょう。

というわけで、このポップアップテントは我が家のロードトリップ・キャンプスタイルに欠かせない1パターンになりました。

ストレッチャーテント(Stretcher Tent):コット一体型で地面からの冷えを遮断

  • ✅ 長所: コット(簡易ベッド)とテントが一体化したオールインワン、地面の冷えや凹凸を完全に遮断、場所選びが簡単、マットが不要
  • ❌ 短所: 寝心地に好みが分かれる(ストレッチャーで寝られない人もいる)、収納時のサイズと重さがやや大きい

次に紹介するテントは、これも少しユニークなストレッチャーテントというものです。

ストレッチャーテントの設営後の全体像。地面から浮いている構造が特徴のダブルサイズ。

ストレッチャー(Stretcher)とは簡易ベッドのようなもので、さっと組み立てができて地面のデコボコなどを気にせずにすぐに寝床が確保できる優れたアイテムです。このストレッチャーテントは、ストレッチャーの上にインナーテント、さらにアウターフライも付いてくるオールインワンのテントです。

サイズは1人用のシングルサイズと、2人用のダブルサイズがあります。上の写真は2人用のダブルサイズで、これはそのまま2人用として使えます。

ストレッチャーテントの設営途中。ストレッチャーを広げた状態。

設営は、ある程度平らな場所を見つけたら、まずはストレッチャーを広げて置きます。地面が多少デコボコしていてもまったく問題ありません。次に、ストレッチャーにくっついているインナーテントを張り上げます。ドームテントと同じような構造で、ポールをつなぎ合わせて2セットのポールをクロスさせてメッシュのインナーテントを作ります。暑い時なんかはこのままで良いかもしれませんね。虫を通さないとてもきめ細かいメッシュ生地なので虫刺されなど気にせずに安心して寝れそうです。

ストレッチャーテントのインナーテントの上にフライシートを被せて設置している様子

または、インナーテントの上にフライを被せて設置すれば雨風も問題ないですし、保温性も上がり、プライバシーも確保できます。入口部分に小さなオーニングを作ることもできます。

ストレッチャーテントのダブルサイズとポップアップテントが並ぶキャンプサイトの夜景

このストレッチャーテントを一時期使ってみて感じたメリットは多岐にわたります。まず、地面のデコボコやぬかるみを気にせずに済むため、場所選びがだいぶ楽になること。そして、ストレッチャーにそのまま寝れるのでマットが必要なくなり、荷物の軽減になること。収納時のバッグの大きさも長さ1mほど、重さも20kgなので、サイズ感も許容範囲です。

しかし、肝心の寝心地ですが、私はダメでした。ストレッチャーではぐっすりと寝ることはできませんでした。ストレッチャーで寝れる人、寝れない人は個人個人で分かれると思います。

これは好みの問題だと思いますので、ストレッチャーが好きだという方には、このストレッチャーテントは非常に良い選択肢になると思います。特に1人用のシングルサイズはとても人気があり、ビーチでキャンプをする人や場所を選ばず手軽に寝床を確保したい方にはこのデザインが最適でしょう。

スワッグ(Swag):オーストラリアならではのソロ/カップルキャンプ向け

  • ✅ 長所: マットレス標準装備(最高の寝心地)、設営・撤収が非常に簡単、キャンバス生地で耐久性・防水性が抜群、害虫から守るメッシュ
  • ❌ 短所: 収納時が大きく重い(ルーフ収納が一般的)、ファミリーキャンプには不向き

オーストラリアのキャンプ場で設営されたDarche Nebulaスワッグの全体像

次に紹介するのはスワッグ(Swag)というものです。これはオーストラリア発祥のテントで、まさにオーストラリアならではのデザインになっています。小型の簡易テントですが、1〜2人用のサイズがほとんどです。

最大の特徴は、大変優れた耐久性と防水性のあるキャンバス生地で作られている点です。さらに、きめ細やかなメッシュウィンドウが使われており、オーストラリアのヤブ蚊やハエなどの害虫からしっかりと保護されます。

スワッグのメッシュウィンドウをクローズアップした写真

スワッグのポールデザインはモデルによってさまざまですが、どれも頑丈な素材が使われているため、スワッグ自体がフリースタンディング(自立)になります。また、移動が必要な場合でもすぐに持ち上げて動かすことも容易にできます。

マットを敷いたままスワッグを丸めて収納している途中段階の写真

そして、スワッグが他のテントと一番違うところは、マットレスが標準装備されている点です。厚さ50-70mmのフォームマットが付いており、これは取り外し可能ですが、スワッグを収納するときはマットはスワッグ内に敷いたままクルクルと丸めていきます。フロアに付いてある2つのストラップで止めてそのまま収納バッグに入れるという、大胆かつ簡単な片付けをすることができます。

収納時のストラップで固定されたスワッグの様子

私が購入したのはオーストラリアブランドであるダーチ(Darche)のネビュラ(Nebula)というモデルのスワッグです。このNebulaは幅が155cm、高さが100cmとDarcheのSwagの中でも一番大きなモデルで、大人2人でも非常に快適に寝れるサイズです。Darcheは高品質、高強度が特徴で、オーストラリアの厳しい環境にあった製品を作り続けています。

Nebulaは420gsmのリップストップポリコットンキャンバス、600gsmのPVCフロア、70mmの高密度フォームマットレスなど、最高品質の素材が使われています。

Darche Nebulaスワッグの広々とした内部とマットレスの写真
収納されたDarche Nebulaスワッグの収納バッグ

スワッグの収納バッグも同じキャンバス生地で作られており、耐水性、耐久性は問題ありません。サイズからして収納はルーフにストラップで固定して運ぶことになりますが、雨や土埃からしっかり守ってくれる丈夫なバッグです。

今現在の私のメインテントがこのNebulaスワッグです。地面に直に寝るのが好きなのと、マットが一緒なのでバッグは大きいけれどもルーフに収納するので大きな問題ではなく、設営/片付けも5分以内で完了する簡単さで、これだけでキャンプが完了するところが良い点です。そして何より一番がカッコいい。色々テントを試してきてNebulaにたどり着き、私はこれを使い続けていくと思います。

オーストラリアでスワッグは根強い人気があり、若者から年配の方まで幅広い年齢層で使われています。何十年も使い続けているものを見ることも多く、それは丈夫なキャンバス生地で作られているからこそ出来るのでしょう。キャンバス生地は使えば使うほどより良いコンディションになっていきます。特に雨で濡れて乾いてを繰り返していくうちに生地がさらに引き締まっていき、より良い耐水性、耐久性になっていくからです。

スワッグはDarcheから何種類も出ており、自分の好みのデザインを選んで長年使い続けていくというのもオーストラリアならではでとても良いと思いますよ。

ルーフトップテント(Rooftop Tent):四駆オーナーに人気の選択肢

  • ✅ 長所: 地面のデコボコを気にせず設営可能、危険な野生動物から身を守れる、車内スペースを有効活用、設営・撤収が迅速
  • ❌ 短所: 初期費用が高額、車の重心が高くなる、夜間のトイレ移動が不便、ルーフ積載重量の制限あり

そして、最後に紹介するのがルーフトップテントになります。ここオーストラリアでも最近ますます人気になり、四駆(4WD)オーナーによく見かけるようになったテントです。その名の通り、車のルーフに設置するテントで、タイプは大きく分けるとソフトトップとハードトップの2種類あります。

車のルーフに設置されたソフトトップタイプのルーフトップテント

ソフトトップ(Soft Top)ルーフトップテントの特徴

まずソフトトップですが、これは設営時にテントと同じような、文字通りのソフトトップになるルーフトップテントです。設営時のテントのベースは2つに折り曲がるようになっており、収納は折りたたんでから上からPVCカバーを被せてストラップで留めます。

サイズは幅140cmの2人用から幅220cmのファミリー用まであり、家族4人で寝ることも可能な選択肢があります。設営/片付けも総じて簡単で、5〜10分くらいで出来るでしょう。

ソフトトップルーフトップテントの設営後の内部写真
車のルーフに収納されたソフトトップルーフトップテント。PVCカバーで覆われている。

ハードトップ(Hard Top)ルーフトップテントの特徴

次にハードトップのルーフトップテントです。アルミニウム製のボディが主で、設営はガス圧ストラップでハードトップを押し上げて行います。収納時はテントの側面のラバーシールで密閉されるので完全な防水、防塵となり安心です。設営/撤収はソフトトップより断然楽で、一人で数分で出来るでしょう。

ルーフトップテントのメリットと安全性

ルーフトップテントはルーフにテント、マット、寝袋などの寝具を全て収めることができるので、車内や荷台の荷物を減らすのにかなり役立ちます。その分ルーフキャリアが使えなくなりますが、ハードトップだとルーフバーを付けることもできるモデルもあるので、さらにルーフを有効活用できます。ただしルーフに載せる重量(許容積載量)はしっかりと確認しなければいけません。過積載にならないように気をつけましょう。

地面の状態を気にせずに設営できるところが最大の魅力です。さらに、ヘビ、サソリ、ディンゴ、クロコダイルなど危険な虫や野生動物から身を守ることが出来るのもオーストラリアでの大きなメリットの一つですね。約2mの高さから眺める景色はまた違う良さがあり、1ランク上のキャンプスタイルになることは間違いありません。(夜中にトイレに行きたくなったときはすこし困りますけどね。)

四駆のルーフに設置されたハードトップルーフトップテントの側面から見た写真
ハードトップルーフトップテントから梯子を下ろして降りる様子
ルーフトップテントの内部から見た景色

私のルーフトップテント体験:Drifta デザートクルーザー

私が昨年に購入したルーフトップテントが、オーストラリアブランドのドリフタ(Drifta)から出ているデザートクルーザー(Desert Cruiser Roof Top Tent)というモデルです。

これは、昨年9月のオーストラリア大陸最北端のケープヨークまで行く15日間トリップにあわせて購入しました。ケアンズ以北のヨーク半島はクロコダイルの生息地であり、安心感のために揃えたという経緯があります。

私がこのモデルを選んだ理由は、以下の3点です。

  • 重量: マットレス幅1.2mのモデルで57kgと、ハードトップテントの中でも最軽量の一つであること。
  • ルーフバー: ルーフバーがあるため、ソーラーパネルとリカバリーボードが載せられること。
  • 設営/撤収: 設営、撤収もすごく簡単で数分でできること。

参考までに、設営・片付けの動画もご覧ください。

設営は90秒:
→ Drifta Desert Cruiser 設営動画

片付けは150秒:
→ Drifta Desert Cruiser 撤収動画

このDriftaのルーフトップテントとDarcheのネビュラスワッグの組み合わせが、現在の我が家のオーストラリア・キャンプスタイルです。

快適なキャンプのために:テントと合わせて揃えたい必須アイテム

様々な種類のテントを紹介しました。最後に、快適なキャンプを実現するために、テントと合わせて購入を強くおすすめしたい必須アイテムを1点紹介します。

テントの設営に使用するメッシュ生地のグラウンドシート

テントの寿命を延ばす!メッシュ生地のグラウンドシートのメリット

それは、メッシュ生地のグラウンドシート(フットプリント)です。ドームテントやインスタントアップテントなど、地面に設営するタイプのテントにはぜひ活用したいアイテムです。(ストレッチャーテントやルーフトップテントには必要ありません。)

このメッシュグラウンドシートには、通常のブルーシートやタープにはない、いくつもの大きなメリットがあります。

  1. 設営場所の決定が容易
    テントとほぼ同じ大きさのグラウンドシートをまず広げることで、テント設営場所を視覚的にイメージしやすいです。小石や枝などを払いのけ、最適な場所を事前に確保できます。
  2. テントの保護と清潔さの維持
    シートの上でテントの設営や片付けを行うため、テントのフロアを尖ったものから保護し、泥や汚れが付着するのを最小限に防ぐことができます。グラウンドシートは「一番最初に出し、一番最後に片付ける」のが基本です。
  3. 芝生と地面の保護(メッシュ最大の利点)
    一般的なタープと違い、メッシュ生地は通気性があるため、数日間設営しても地面が蒸れすぎず、芝生の保護にもつながります。
  4. 優れた排水性・乾燥性
    雨や朝露で水がテントから流れ落ちた場合、タープのように水が溜まらず、メッシュからすぐに地面に流れるため、テントのフロアを乾いた状態に保ちやすいです。
  5. ビーチキャンプでの砂対策
    メッシュグラウンドシートの上に落ちた砂は下に落ちていき、下の砂はシートの上には上がってこない構造になっています。テントに入る前にシートの上で足の砂を払うことで、テントの中に砂を持ち込むのを劇的に防ぐことができます。

というわけで、テントを購入する際には、そのテントのサイズに合った(少し大きめをお勧めします)メッシュのグラウンドシートも合わせて揃えると、快適性が格段に向上し、テントの寿命を延ばすことにもつながりますよ。

まとめ:オーストラリアのキャンプスタイルに合ったテントを選ぼう

この記事では、オーストラリアでのキャンプを最大限に楽しむために、以下の3つの主要なテーマに沿ってご紹介しました。

  1. テントの大きさ:最適なサイズの選び方
  2. テントの種類:ドーム、インスタントアップ、スワッグなど、さまざまなテントの種類とそれらの特徴
  3. 必須アイテム:テントと合わせて揃えたいメッシュグラウンドシートのメリット

あらためて、本記事で紹介したオーストラリアで人気のテントの種類と、それぞれの特徴、長所・短所を比較表にまとめます。

テントの種類 ✅ 長所(メリット) ❌ 短所(デメリット)
ドームテント 軽量、コンパクト、安価。耐風性に優れる。 他と比べて設営に多少時間がかかる。
インスタントアップテント 設営/撤収が早く簡単、初心者向き。 ドームテントと比べ収納サイズが大きく重い。
ガゼボテント ガゼボへの取付が楽、簡単、収納コンパクト。 高耐水圧モデルはなく荒天には最適ではない。
ポップアップテント 設営が一番簡単、軽量、高性能モデルあり。 撤収は要練習(収納方法にコツが必要)。
ストレッチャーテント 設営簡単、地面の凹凸関係なし、オールインワンで荷物軽減。 ストレッチャーの寝心地(個人差あり)。
スワッグ キャンバス生地の高品質、高強度、高耐久性。マットレス標準装備。 収納サイズが大きく重い、ルーフや荷台に収納スペースが必須。
ルーフトップテント 素早い設営、地面から離れる安全性、車内や荷台の荷物軽減、良い眺め。 高価、ルーフの積載重量、夜中のトイレ移動。

これらのテントは全て、私がオーストラリアでのキャンプを通して実際に使用し、経験したものです。(もちろん私個人の感想が入っていますが、具体的な特徴を掴んでいただけたかと思います。)

オーストラリアテントを選ぶ際には、ぜひこちらを参考にして頂き、あなたのキャンプスタイルや目的に合った最適なテントを見つけてみてください。

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