この9月に、ケアンズからケープヨークへの15日間トリップへ行ってきました。そのトリップの様子を、訪れた場所の詳細とともに書いていきます。日本語でのケープヨークの情報はなかなか少ないと思うので、出来るだけ事細かに情報を残しておき、この記事を読んでくださった皆さんがケープヨークトリップを計画する際に役立つような内容になればと思います。
ケープヨーク(Cape York)とはどこ?
まず、ケープヨークとはどこかということですが、オーストラリア大陸の北東部にある大陸最北端のヨーク岬のことになります。そして、オーストラリア大陸の北東部から突き出ている半島をケープヨーク半島(ヨーク岬半島)といいます。
ケープヨーク半島の始まりが東海岸だとケアンズあたりになるので、特にシドニーやメルボルンなどの南の方から上がってきてケープヨークに向かう人たちからすると、ケアンズがケープヨークトリップのスタート地点になっている感じがします。ケアンズ在住の私からすると、ケープヨーク半島に住んでいる?ということになりますね。
ケープヨークトリップで使用した地図、ガイドブック
ケープヨークトリップを計画する際、またトリップ中にも必須であった地図とガイドブックがこちらです。
Hemaから出ているこの2冊です。右はウォータープルーフで水に濡れても大丈夫な紙でできている広げて見る大きな地図と、左は地図だけでなく読み物としても非常に楽しめるアトラスガイドです。
アトラスガイドは、トリップ前に家で時間のあるときに読んで色々な情報に目を通していました。地図の方はトリップ中に計画を見直したり、再度計画を立て直したりと、毎日何回も見ていました。
その他には、iPhoneのグーグルマップに事前にオフラインマップをダウンロードしておき、移動中はそれを参考に現在地を確認していました。
トリップ1日目、ケアンズからローラ(Laura)まで
さて、ケープヨークトリップ初日です。荷物は前日の夜までに車にすべて積んでおいたので、当日朝はそんなにバタバタすることなく出発できました。9時にスミスフィールド(Smithfield)のショッピングセンター前で一緒に行く仲間たちと集合し、そこからキュランダ、マリーバ経由で81号線マリガンハイウェイ(Mulligan Hwy)を北上していきます。
そして、昼過ぎにレイクランド・ロードハウス(Lakeland Roadhouse)に到着しました。
レイクランド(Lakeland)
ここでお昼休憩です。事前に作っておいたサンドウィッチを食べ、あとは給油もしました。ここまではケアンズから230km、道もずっと舗装道路でガソリンは1/4ほどしか使っていませんでしたが、ここからさらに北へ行くにつれてガソリン価格もどんどん高くなっていくので、なるべく南のほうにいるうちにこまめに満タンにしておくほうがお得だと思います。
ケアンズから北上してきて右手にロードハウスがありますが、道を挟んで左側に新しい施設ができていました(前回通ったのは4年くらい前ですが。)“Gateway to Cape York“という大きなサインがあり、ピクニックテーブルが数ヶ所でき、ケープヨーク半島の大きな地図とともに観光スポットや見所を紹介する案内板が多数ありました。
レイクランドはケアンズから3時間ほどです。休憩をし、軽食をとり、情報収集をするのに最適な場所ですね。私たちは立ち寄りませんでしたが、すぐ近くにはレイクランドキャラバンパーク(Lakeland Caravan Park)があるので、必要ならばここで1泊滞在するのも悪くはないかと思います。
さて、ここレイクランドは大きな分岐点です。このままマリガンハイウェイを真っ直ぐ進むとクックタウン(Cooktown)へ行きます。このハイウェイはずっと舗装道路なので、ケアンズからクックタウンまでこのマリガンハイウェイを利用すればどのような車でも行くことができますね。次に、ロードハウスを出てすぐ左折すると、ここから始まるのがペニンシュラデベロップメンタルロード(Peninsula Developmental Road)、通称”PDR”です。ここからはこの道をひたすら北へ向かっていきます。
昼食休憩を終え、私たちはPDRを北上していきレイクランドから80km、ローラ(Laura)という町に着きました。
ローラ(Laura)
ローラはケアンズから310km、ここまではずっと舗装道路になっています。午後3時頃到着し、1日目の移動はここまでになります。ロードハウスを過ぎてすぐのところにローラリバー(Laura River)を渡る橋がありますが、その脇から川沿いに入り(9月で川の水はほとんどありませんでした。)初日はここでフリーキャンプをしました。
ローラはケアンズと比べるとだいぶ暑かったですね。内陸の気候という感じで、着いたのは夕方でしたがまだ30度以上ありましたよ。
トリップ2日目、ローラ(Laura)からコーエン(Coen)まで
2日目の朝、朝食をとり、荷物をまとめ8時半に出発、さらに北へ向かいます。ローラを過ぎてすぐのところから道路は未舗装になります。所々で舗装された箇所もありますが、基本的にはローラ以降から未舗装道路がずっと続くということでいいと思います。
道路が未舗装になってすぐのところで私たちは車を停め、未舗装道路のコルゲーション(Corrugation)に対応するためタイヤの空気圧を調節しました。コルゲーションとは道路にできる波状の凸凹のことで、少しの段差から生まれるタイヤの上下動が定期的な道路への加圧を発生させ、凸凹を作りだします。そこで多くの車が走れば走るほど凸凹が大きくなっていき道路がどんどん傷んでいってしまうという感じです。特にコロナ禍以降、オーストラリア国内でのロードトリップが人気になり、ケープヨークを目指す人も多くなった中で、やはり道路の損傷はシーズン後半になると酷いということでした。
私の車の場合だと、ハイウェイで前輪38psi、後輪44psiでしたが、未舗装道路が始まるここからは前輪26psi、後輪28psiまで空気圧を下げました。これは凸凹からのショックを和らげるようにするためであり、なおかつコルゲーションがさらに酷くならないようにするためでもあります。
トリップ最初のトラブル発生!
旅にトラブルはつきものですが、2日目にして早速トラブルが発生しました。
2日目ローラを出発して北上を続けてましたが、未舗装道路のコルゲーションがとにかく酷い。。まずはヘッドライトをつけて対向車から自車が見えるようにし、エアコンは内気循環にして外の土埃がなるべく入らないようにします。程度の良いところだと80km/hで走れますが、悪いところは30km/hくらいまで速度を落とさなければいけなかったり、ダストホール(Dust hole)という大きな溝のできたところを避けながら通らなければいけなかったり。通常よりもかなり気をつけて前方の視界や路面状況、対向車の有無を確認しながらの運転になります。
そんな運転を続けながら、ローラから250km北のコーエン(Coen)に着く少し前あたりからイヤな音が車のルーフから聞こえるようになってきました。コルゲーションロードを走りながら聞こえるガタガタガタガタという音の中で、たまに聞こえるガターンという大きい音。これは最初の頃は聞こえてなかった音です。気になるので一度停まり、ルーフの上を確認します。ルーフにはルーフバーがありその上にルーフトップテントがついています。ルーフトップテントの上にさらにバーがあり、ソーラーパネルとリカバリーボードが取り付けてあります。取り付けてある全てのものを揺すってみますが、どれも簡単に動く様子はなく、ストラップで止めてあるものもしっかり止まっています。
とりあえずゆっくり慎重に運転しながら、たまにまだ聞こえる大きな音はしますが、無事コーエン(Coen)までたどり着きました。小さなガソリンスタンドの前に停まり、ここでランチ休憩。また少しですが給油し満タンに。そして、ふとルーフトップテントを取り付けているルーフバーを持ち上げて気づきました。前のルーフバーの左側、ルーフレッグとルーフバーを止めているボルトが外れて無くなっていました。なので、ルーフバーを持ち上げるとルーフトップテントごと車のルーフからパカパカと浮いて動いていたのです。
同じサイズのボルトのスペアはあったものの長さが足りない。。そこでガソリンスタンドのおじさんに同じサイズで長めのボルトがないか聞いてみたところ、ガソリンスタンドの売店にはなく、向かいのワークショップに行って探してもなく、その奥のガレージの中にあったツールボックスにちょうど良いのを見つけてくれました。感謝!
ランチを食べ、子供達は近くの公園で遊んでいる間になんとかルーフバーはしっかりと固定し直して一件落着しました。
これで学んだことは、トリップ前のチェックはボルト、ナット、ネジ、ストラップ等全てすること。ルーフバーに載せているものは全部チェックしましたが、ルーフバー自体のチェックは怠っていました。あとはスペアのボルトを持っていく上で主要なサイズ(M6,M8,M10,M12あたり)のなるべく長いものと、合わせてグラインダーも持っていく。そうすれば、長すぎる場合はカットして使えるようになりますね。
さて、予定では2日目はもう少し先まで行く計画でしたが、ルーフバーを直して出発できるようになったのが3時近くになってしまったので、予定を変更して2日目はコーエンでキャンプをすることにしました。なので、2日目の移動はローラからコーエンまでの250kmです。
コーエンリバーフリーキャンプエリア(Coen River Free Camp Area)
コーエン(Coen)でのキャンプは、コーエンリバーフリーキャンプエリアでした。コーエンリバー沿いにあり、好きな場所に無料でキャンプできる最高の場所です。
キャンプエリアに入り、川の手前側にも場所はありますが、おすすめは川を渡った反対側です。そうすると川のすぐ目の前に場所を取ることができ、もちろん川遊びもできるキレイな川なので、すぐに飛び込んで遊ぶこともできてしまいます。
コーエンに着いてから、ルーフバーを直すのでバタバタして汗だくになっていたので、キャンプエリアに着いて車を停めたらとりあえず川に飛び込み、ゆっくりと涼んでからテントを設営し、夕飯を食べて夜はくつろぐことができました。
トリップ3日目、チリビーチ(Chilli Beach)へ
トリップ3日目、この日も朝食を食べたらすぐ荷物をまとめ、8時半にコーエンを出発しました。そしてコーエンから約100km、チリビーチ(Chili Beach)へ向かうポートランドロードへ右折します。ポートランドロード(Portland Road)も未舗装道路になり、道幅も狭く、カーブも多く、小さなクリークを渡るところが多々出てきます。なので走る速度はPDRの時より遅くなります。急がずにゆっくりと対向車に気をつけながら行きましょう。
マウント・トーザー ルックアウト(Mount Tozer lookout)
途中で一ヶ所立ち寄ったところが、マウント・トーザー ルックアウト(Mount Tozer Lookout)です。ここはクティーニ=パヤミュ(アイアンレンジ)国立公園内にあるトーザー山を見渡せる展望スポットで、駐車スペースからわずか70mで行ける短いウォーキングトラックです。ぜひ小休憩がてら軽く歩いて見て行ってみましょう。
チリビーチキャンピングエリア(Chilli Beach Camping Area)
途中で2ヶ所ほど分かれ道がありますが、Chilli Beachと分かりやすくサインが出ているのでそれに従いながらポートランドロードを120km進み、チリビーチキャンピングエリアに到着しました。
クティーニ=パヤミュ(アイアンレンジ)国立公園(Kutini=Payamu(Iron Range)National Park)内にあるチリビーチキャンピングエリアはキャンプサイトが全部で25あり、ビーチ沿いに点在しています。
3家族で行った私達は、3サイトが隣り合わせになっている17,18,19を予約していました。ここチリビーチで2泊です。キャンプサイトの予約はクイーンズランド国立公園予約サービスのサイトからオンラインでできます。
昼過ぎに着き、キャンプサイトに車を停めたらあとはゆっくり。ビーチを散歩し、焚き火台をだしてやっと焚き火もできました。
チリビーチに着くまでちょっと移動の時間が多かったですが、ここで2泊の滞在でリラックスすることができました。子供達も勝手に楽しく遊んでましたよ。
チリビーチ2日目の朝は、起きてすぐに息子とビーチへ釣りに行ってみました。ものすごく遠浅な海で、釣りをするにはどうなんだろう?と思いましたが、とりあえず息子がやってみたいということで朝の散歩がてらですね。
何の当たりもなく海草がからまるだけでしたが、まあ朝ご飯前の良いエクササイズになりました。
来る時に見た分かれ道にあったサイン「CAFE」と「Best Seafood in the Cape」がどうしても気になり、午後から少しドライブがてら見に行ってみました。
ポートランドロードの突き当たりになります。海沿いの通りエスプラネードがあり、なんとこんなところに「アウトオブザブルーカフェ(Out of the Blue CAFE)」という最高のロケーションにあるカフェをみつけました。
まさしく目の前にビーチ。小さなボートが何台か停まっていました。
時間は午後3時。完璧なアフタヌーンティータイムでしたが、何と営業日が木曜〜日曜で、月曜〜水曜は休み。そしてこの日は火曜でした。。残念。事前に調べて行けるようにすればよかったなぁ。
チリビーチのキャンプサイトに戻り、この日の夕飯は焚き火ですることにしました。焼くものといったら肉、グリルネットを使ってステーキを焼いて食べました。
トリップ5日目、チリビーチを出発し次の目的地へ
チリビーチでのんびりとした2泊のキャンプを終え、トリップ5日目、チリビーチを出発し次の目的地へ向かいます。ポートランドロードを戻り、PDRへ出たらここからまた北へ向かって走り出しました。
このあたりで一旦区切ります。その②オールドテレグラフトラックへにつづく