オーストラリアの壮大な自然の中でのキャンプは、アウトドア大国オーストラリアの文化として根付いています。そんなオーストラリアでキャンパーたちに広く受け入れられているキャンプギアにオーストラリア発祥の簡易テント、スワッグ(Swag)があります。スワッグは、キャンパーたちが自然と一体となり、星空の下で快適な眠りを得るための理想的なアイテムです。この記事では、スワッグの起源からその特徴、そしてオーストラリアのキャンプ愛好家たちに愛される理由まで、詳しく探っていきます。
スワッグの起源は
スワッグは、オーストラリアのアウトバック地域で牧畜労働者や放浪者が徒歩や馬に乗って移動しながら使用するために開発された簡易なテントです。その起源は19世紀後半にさかのぼります。当時、牧場や鉱山で働く人々は仕事場を求めて長い距離を移動するため、しばしば長期間野外で過ごす必要があり、そのため彼らは荷物を運ぶ手間を省き、手軽に設営できるテントを求めていました。
スワッグは、通常は厚手のキャンバス生地で作られ、寝袋とマットレスが組み込まれています。これにより、一つの包括的な寝具として機能し、荷物を減らし、設営が容易になりました。また、その頑丈さと耐久性は、過酷なアウトバックの環境に対応するために不可欠なものでした。
スワッグの特徴は
元々、牧畜労働者や放浪者が使用するために開発されたスワッグですが、その使いやすさと機能性から、現代のキャンパーたちにも広く受け入れられています。その特徴を見ていきましょう。
頑丈な素材
スワッグに使われている素材はキャンバス製が一般的であり、耐久性が非常に高くとても長持ちします。これは、オーストラリアのアウトバックの厳しい自然環境に対応するために非常に重要な特徴になります。
組み込まれた寝袋とマットレス
スワッグには通常、寝袋とマットレスが組み込まれており、一体化した寝具として機能します。これにより、快適な睡眠環境を提供してくれます。
ポータブル性
すべて一体化しているスワッグは比較的コンパクトに収納でき、持ち運びが容易です。これはキャンプで移動する際に便利です。
防水性
ほとんどのスワッグは防水処理が施されており、雨や湿気から保護します。これはオーストラリアの急激な気候の変化に対応するのに役立ちます。
アドベンチャー感
スワッグはオーストラリアのアウトドア文化の象徴的な要素の一つとなっており、野外での冒険やキャンプの雰囲気を楽しむためのアイテムとして多くのキャンパーから愛されています。
スワッグの種類は
次はスワッグの種類についてです。スワッグにはいくつかの種類がありますが、主なものは以下の通りです。
トラディショナルスワッグ(Traditional Swag)
オーストラリアで最初に作られ、使われたスワッグの形式がこのトラディショナルスワッグで、キャンバス製のテントに寝袋とマットレスが組み込まれています。これが最も基本的なスワッグの形式になります。広げてセットアップしたり、丸めて収納するのにほんのわずかな時間でできるため、手間のかからないセットアップを好む人にとっては最適です。虫の侵入を防ぐための防虫メッシュがあり、中で寝ているときにキャンバス生地の重量を逃がすために頭のほうにポールを立ててスペースを作ったり、足のほうにサポートがあったりします。快適な睡眠を提供してくれるフォームマットレスがあり、防水性を高めるためのPVCフロアがあります。通気性を重視してフロアもキャンバスベースになっているものもあります。
ドームスワッグ(Dome Swag)
ドームスワッグは、20年以上前にオーストラリアブランドであるダーチ(Darche)によって導入されたスワッグデザインの進化形です。このドームスタイルのスワッグにはさまざまなデザインがあります。もともとは、単一のドームテントスタイルのグラスファイバーまたはスチールのポールをスワッグの頭の部分に曲げて、キャンバスの重量が身体にかからないようにし、雨が降っているときに呼吸できるスペースを提供することから始まりました。それから、キャンバスが足の上に置かれないようにフットポールを備えるようになり、暖かい夜にはスワッグを開いたままにし、厄介な虫を防ぎながら換気を可能にする防虫メッシュを備えるようになりました。
バリエーションの一部には、3 番目のセンターポール、複数のヘッドポール、リッジポール、PVC フロアが含まれています。 これらのスワッグのいくつかには、スワッグの中に汚れを引きずり込まないように、ブーツを脱ぐときに便利なブーツマットが付いているのもあります。 リッジポール付きのスワッグは自立するため、ペグを刺すことができない地面にスワッグを設置するときに最適です。
エアスワッグ(Air Swag)
エアスワッグは、再びダーチ(Darche)によって開拓されたスワッグデザインの最新の進化形です。この革新的なテクノロジーにより、従来のポールの組み立てが不要になり、セットアップと片付けが迅速かつ簡単になりました。エアスワッグは付属のエアポンプでエアポールを膨らませるだけでセットアップが完了します。片付けは、バルブを開けて空気を抜くだけでスワッグはフラットの状態になり、あとはマットレスとともにくるくると丸めて、フロアに付属している2つのストラップで固定して完成です。
私のスワッグは
最後に私が愛用しているスワッグも紹介します。私のスワッグはダーチ(Darche)のネビュラ(Nebula)というモデルのドームスワッグです。
ダーチのスワッグの中でも一番大きいサイズのモデルで、幅は1550mmあります。スワッグのサイズにはシングル、キングシングル、ダブルなどありますが、ダブルサイズで幅が1400mmなので、ネビュラはクイーンサイズになりますね。
ドームスワッグですが、ドーム形を作るポールはアーチ形ではなく、もっと垂直になるセグメンタル形になっているので、スワッグ内の空間はより広くなっています。アーチ形ドームスワッグだと、どうしても真ん中辺りが弛んで室内空間が圧迫されてしまうのです。
厚さ50mmのフォームマットレスは快適で、室内の高さも1mあるので、もちろん立つことはできませんが、座っている時に頭が上に当たらないかなど気にしないでいられるので、他のスワッグと比べて非常に余裕があります。
セットアップと片付けもそれぞれ数分でできるのでとても楽ですね。収納は車の上のルーフラックに固定します。スワッグの収納バッグも同じく丈夫なキャンバス生地でできているので、雨風埃からしっかりスワッグを守ってくれます。
このスワッグに私と息子の二人で、妻と娘の二人はルーフトップテントで寝ます。これが最近の我が家のキャンプスタイルになります。
まとめ
オーストラリア発祥の簡易テントであるスワッグ(Swag)について紹介しました。スワッグの起源から始まり、スワッグの特徴や種類、そして私が実際に使っているドームスワッグのネビュラまで紹介しました。
長い歴史のあるスワッグですが、現代の多種多様なキャンプスタイルがある中でも、ここオーストラリアで今だに多くの人から愛され、受け入れられているスワッグの魅力が伝わったのではないかと思います。シンプルな簡易テントであるスワッグはキャンパーたちを自然と一体にさせることを手助け、アウトドアでの冒険やアドベンチャーの雰囲気をより感じさせる理想的なアイテムとなっています。
オーストラリアでキャンプを始めたい、新しいギアを手に入れたい、そんな時はこのスワッグを一つの選択肢としてぜひ検討してみてください。オージーキャンプをしてみましょう!