はじめに:ルーフ積載量を意識していますか?
キャンプや4WDトリップで荷物が増えてくると、まず気になるのが「ルーフにどれだけ載せられるか」。
ルーフキャリアを取り付けると収納スペースは一気に広がりますが、車両やキャリアにはそれぞれ”最大積載量(Roof Load Limit)”が定められています。
この制限を超えると、走行性能の低下やルーフの損傷、最悪の場合は事故につながることも。
この記事では、車のルーフ積載量を正しく計算する方法と、オフロード走行時に注意すべきポイントを解説します。
参考になった動画:実際のオーバー積載例から学ぶ
今回のテーマのきっかけは、YouTubeで見つけた動画「“I STUFFED UP!! Overloaded my Roof”」。
動画の中で登場したのは、RhinoRackのルーフトレイを取り付けたトヨタ・ハイラックス。
しかし、実際にはそのセットアップが完全に重量オーバーになっていたのです。
動画では、「なぜオーバーしたのか」「どう対策すべきか」が詳しく紹介されており、正しい積載の重要性を改めて感じさせてくれます。
車のルーフの最大積載量を知ること
まず確認すべきは、車両メーカーが定めるルーフの最大積載量です。
これは車の取扱説明書またはメーカー公式サイトで確認できます。
例えば:
| 車種 | ルーフ最大積載量 |
| VW Amarok | 100kg |
| Toyota Hilux | 75kg |
この数値には、ルーフキャリア自体の重量も含まれます。
つまり、キャリアが重ければ重いほど、実際に載せられる荷物の量は減ります。
ルーフキャリアの最大積載量を知ること
次に確認したいのが、ルーフバーやプラットフォーム(トレイ)などキャリア側の制限です。
私の車、VW Amarokに取り付けているRhinoRackのルーフバーは最大100kgまで対応しています。
ただし、ここで注意が必要です。
車両のルーフ最大積載量が100kgの場合、バー自体の重量(約5kg)を引く必要があります。
実際に載せられる荷物重量=ルーフ最大積載量ーキャリア重量
- 100kg – 5kg(バー重量)= 95kg
- プラットフォーム(29kg)の場合、100kg – 29kg = 71kg
このように、キャリア自体が重いほど、積める荷物は減ります。
特に大きなトレイやボックスを取り付ける場合は、キャリア重量を必ず考慮しましょう。
オンロードとオフロードの最大積載量の違い
ここが非常に重要なポイントです。
ルーフキャリアの最大積載量は、基本的に舗装路(オンロード)での値として設定されています。
しかし、未舗装路(オフロード)を走行する場合は振動や衝撃が多く、ルーフにかかる負荷も増加します。
そのため、多くのメーカーでは以下のような目安を推奨しています。
オフロード走行時はオンロードの約2/3(1/3減)を上限とする。
具体的には次のようになります。
- 私の車、Amarokのルーフバー:95kg ÷ 1.5 = 約63kg
- プラットフォームの場合:71kg ÷ 1.5 = 約47kg
オフロードを多く走るオーストラリアでは、この”減算ルール”を守ることが安全走行の鍵になります。
実例:前回キャンプでルーフに載せた荷物
前回のファミリーキャンプで実際にルーフに積載していた装備を振り返ってみます。
| 積載物 | 重量(kg) |
| ルーフバー | 5 |
| オーニング | 9.5 |
| リカバリーボード(Maxtrax) x2 | 7 |
| カヤック | 21 |
| ガゼボ | 26 |
| 合計 | 68.5 |
オフロード最大積載量(63kg)を約5.5kgオーバーしていました。
数字上はわずかですが、未舗装路の振動を考えると油断はできません。
特に重かったのがガゼボ(26kg)。
このキャンプでは、3x3mのガゼボとそれに取り付けるガゼボテントを使いました。
普段日陰を作るのに車の横に出すオーニングを使うのですが、この時はオーニング(9.5kg)を外していれば、ちょうど安全範囲に収まっていた計算になります。
こうした微調整の積み重ねが、安全で安定した走行につながります。
まとめ:ルーフ積載量を守って安全なキャンプを
今回紹介した内容をまとめると、以下の4ステップでルーフ積載量を管理できます。
- 車両のルーフ最大積載量を確認する
- キャリア自体の重量を差し引く
- オフロードを走る場合は1/3減を目安にする
- 出発前に実際の総重量を量る
また、メーカーによってはオンロード/オフロードを区別せず一律の耐荷重を設定している場合もあります。
キャリア購入時は、こうした仕様の違いも比較ポイントになります。
荷物を少し減らすだけで、車体への負担や燃費が改善され、安全性も高まります。
これからルーフキャリアを検討する方は、重量バランスと積載限度を意識して、安全で快適なキャンプ旅を楽しんでください。



